デトックスは現代を豊かに暮らすにはかかせないもの
- 2020年4月16日
はじめに
デトックスと聞くと流行りもので健康意識の高い人がいまよりさらに健康になるために行うもの。特定の物質の体への影響を大げさにとらえている、政府や食品衛生局などが生活で使う製品は全て管理しているから普通に暮らすには必要ない、生活から受ける毒素は避けられないのだから気にしてもしようがないしストレスにしたくない、お金だけ使って結局実質的な健康への効果はない、と抵抗を持つ方もいるかと思います。どれもすべて理解できる考えで私もまさに以前はそう考えてきたうちの一人でした。
慢性の病気と暮らしから体に入る毒素の関係性
私が考えを改めたのは生活から体内に知らずと入ってくる物質と、主要な病気との関連を示す研究結果を読んだ時でした。厚生労働省のレポートによれば、日本の全人口の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患しており、10人に1人以上が糖尿病の疑いがあり、糖尿病患者数は右肩上がりで過去最高を記録し続けていて、そして日本人男性の3人に1人が女性は5人に1人が肥満で、成人5人に1人が慢性の不眠を抱えていると報告されています。1,2,3,4 鬱・不安感、発達障害、など他の統計も含めて考えるとほぼ皆が何かしらの病状を抱えているといえ、それが現在の発展した社会の当たり前である事実に愕然としました。そしてそれらすべての病気と農薬、プラスチック、重金属、化粧品、加工食品に含まれる物質(毒素)との関連が示されていることを学び私の考えは変わっていきました。健康と環境の毒素、この二つの関係性は近代化が進むにつれより深く調べられていくものだと思います。
なぜこれまで暮らしの食品・生活用品は安全とされてきたのか
これまで食品、化粧品、生活用品など日々の暮らしで使用するものに含まれる物質の安全性は微量であれば健康に被害はないと考えられてきました。しかし、その科学的根拠はどれも短期間で、そして高用量での体への影響を調べた研究結果に基づいており、私たちの暮らしでの使用方法に似せた低/中用量での長期的な体への影響は調べられていませんでした。近年ようやく長期的な体への影響を調べた研究結果が公表され始めその結果たるや悲惨な結果で、当時健康への意識が高くはなかった私でもその重要性は理解できました。そして暮らしから入ってくる物質のとらえ方は変わっていきました。これから紹介していく情報は特定個人の経験のみからくるものではなく、一部の信頼なる団体のソースを除き、全て査読された論文の結果に基づいています。*査読を受けたからといって事実とは限りませんが、査読をされた論文の結果に基づくことがもっともフェアな観点から情報をお伝えできると考えています。
新生児の血液にすでに200以上の体へ有害な物質を確認。避けられない暮らしから体内へ入る有害物質の数
暮らしの利便性と引き換えに、現在数えきれない数の従来自然には存在しない物質が生み出され、そして我々の体へ知らずと入ってきています。環境汚染について取り組む非営利団体Environmental Working Groupが出産直後に母親の臍帯(へその緒)から血液を検出し分析したところ、平均して200種以上の体への有毒性が認められている物質が検出されました1。分析にかかる費用からこの実験の参加者は10人と人数はすくないためこの結果がすべての人にあてはまるとは言えませんが、現代の子供は生まれた時点で数多くの自然には存在しない有害な物質が体に入ってきていることが示され、病気のリスクの増加が懸念されています。そして残念ながらすでに、多くの関連の病気と体内の有害物質の量の関係性は研究により示されています。
人工的に生み出される物質の数と二型糖尿病の関係性
二型糖尿病の原因を問われたら、遺伝や肥満の他にまず砂糖の過剰摂取が主な要因だと考えられてきました。しかしながら近年の統計の結果は、これまでとは違った人工の科学物質と糖尿病の新しい関係性を示しました。
(参照:Stephan Guyenet Ph.D.
上のグラフは肥満について研究しているStephan Guyenet PhDによる統計で1822年から2004年までのアメリカ国民の砂糖の年間消費量を表しています。全般的に右肩上がりに砂糖の消費量が増えているのが見て取れますが、注目して頂きたいのは砂糖の消費量は1920年から1985年くらいまでほぼ横這いであるということです。ところが青いたて線でしめされている1960年からアメリカでは糖尿病患者数は激増しはじめており、砂糖消費量に大きな変化がない間にすでに糖尿病パンデミックは始まっています。もしも砂糖消費量だけが糖尿病を起こすのであれば、1960年以前に患者数は増えていたはずです。この結果、砂糖以外にも糖尿病の原因になっている変化が1960年前後に起きたはずだと考えられました。そして、1960年以降に増え始めたもので、その増加率と糖尿病患者の増加率がほぼ一致するものがあります。それが、人工に生産された暮らしで使用される化学物質の量です。
(参照:Neel BA, Sargis RM. The paradox of progress: environmental disruption of metabolism and the diabetes epidemic. Diabetes. 2011;60(7):1838‐1848. doi:10.2337/db11-0153)
上のグラフの赤い線が糖尿病患者数を示し、青い線が化学物質の生産量を示します。この調査によると、人工の化学物質の量の増加と糖尿病患者の数の増加は砂糖以上に一致することが分かっています2。別のコラムで細かく紹介しますがプラスチック製品にまざるフタル酸やBPAはホルモンのレセプターを阻害し内分泌系の機能に影響を及ぼすことはすでにわかっており、二型糖尿病他内分泌系の病気との関連が深く示されています。
普通の食品を食べる子供の体内から、有機無農薬食品を食べる子供と比べ約9倍の量の農薬物質が検出される。
有機無農薬栽培された食品を主に食べている子供とそうでない子供を比べた結果、普通の食品を食べているグループの尿には、有機無農薬食品を食べる子供の約9倍の量の農薬代謝産物(有機リン酸塩農薬)が見つかりました。この結果、およそ9倍の量の農薬が通常の食品を食べている子供の体内にあることが予測されています3。また低用量長期間における農薬物質とADHD4,5、発達障害6、ガン7(非ホジキンリンパ腫)のリスクの増加がそれぞれの研究にて確認されています。
生まれ持った可能性を生かしきれない環境
先にも書いたように近代化に伴い暮らしに化学物質が増えていくのは避けられず、自ずと暮らしの中で体内にそれら物質が入ってきます。私はそれら化学物質の生産に反対しているわけでも近代化に物申しているわけでもありません。私はむしろ近代化には賛同していて、この便利な暮らしに感謝しています。しかしそれは私がどこに毒が潜み、どの程度が危険でそしてどうしたら体への悪影響を防げるかを学んだからです。お酒やたばこを嗜む方は、皆それらが体に悪いことは理解して使用しています。悪いと知るからこそ嗜み方を学び、有害なものではありながら暮らしに害どころから楽しみを得て色どりをつけています。有害なものでありながらもバランスを取りそこからプラスを得る、そんな事が可能なのはまず初めにその危険性を知っているからこそできることです。
私がIonCleanse byAMDを通じて日本の皆様へ紹介したいのは、まさに先のお酒たばこの例のように便利な暮らしと体に有害なものとのバランスを取り、近代化社会を健康に謳歌して頂きたいと願うからです。それにはまず暮らしに潜む危険性を知らなければなりません。しかしながら現状は、日々使用しているものの体への有害性とそれにより起こり得る体の不調を知らされていません。知らないので当然防ぎ方も知られていません。お酒やたばこの危険性を知らず程度を守らず常用したらどうなるでしょう?それが先に書いた現代の人々の健康状態を表しているのかもしれません。これまで否定されてきた物質の危険性がいま明るみに出てきています。それらを学び素晴らしい近代化された社会を満喫して頂けることを心より願っています。現代の健康は環境から与えられるものではなく、自ら守り勝ち取るものです。
デトックスは現代を豊かにいきるためのマスト。
Fight for Win, Fight for Wellness
タンジ
Reference:
1.Environmental Working Group. “Body Burden: The Pollution in Newborns.” EWG, 14 July 2005, www.ewg.org/research/body-burden-pollution-newborns.
2.Neel BA, Sargis RM. The paradox of progress: environmental disruption of metabolism and the diabetes epidemic. Diabetes. 2011;60(7):1838‐1848. doi:10.2337/db11-0153
3.Curl CL, Fenske RA, Elgethun K. Organophosphorus pesticide exposure of urban and suburban preschool children with organic and conventional diets. Environ Health Perspect. 2003;111(3):377‐382. doi:10.1289/ehp.5754
4.Marks AR, Harley K, Bradman A, et al. Organophosphate pesticide exposure and attention in young Mexican-American children: the CHAMACOS study. Environ Health Perspect. 2010;118(12):1768‐1774. doi:10.1289/ehp.1002056
5.Rauh VA, Garfinkel R, Perera FP, et al. Impact of prenatal chlorpyrifos exposure on neurodevelopment in the first 3 years of life among inner-city children. Pediatrics. 2006;118(6):e1845‐e1859. doi:10.1542/peds.2006-0338
6.Furlong MA, Engel SM, Barr DB, Wolff MS. Prenatal exposure to organophosphate pesticides and reciprocal social behavior in childhood. Environ Int. 2014;70:125‐131. doi:10.1016/j.envint.2014.05.011
7.Waddell BL, Zahm SH, Baris D, et al. Agricultural use of organophosphate pesticides and the risk of non-Hodgkin’s lymphoma among male farmers (United States). Cancer Causes Control. 2001;12(6):509‐517. doi:10.1023/a:1011293208949